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備忘録:保育園の卒園式で保護者代表挨拶(コロナ禍)~母、謝辞を読む~

2021年3月17日

卒園おめでとうございます!

たけむら
こんにちは。(当時)5年生の娘と年長の息子の2児の母です。突然、息子の卒園式で保護者代表の挨拶を頼まれ、なんとか謝辞を完成させました。いろいろと検索しましたが、自分の園にピタッとハマる例文はなく、しかもコロナ禍。月並みな文章ではしっくりこず…、最終的には経験者に添削を頼んで完成させました。私が謝辞を書いたときの手順をまとめますね。一生に一度あるかないかの、この出番…これから書く方の参考になれば幸いです。

オリジナリティを出すコツ

園の方針を確認する:園が大切にしていることをどんな言葉で説明しているのか、お便りやホームページを見て保護者=先生=子どもたちの共通言語を探す

挨拶をして。と頼まれて、いろいろと検索してみたけど、正直ネット上にコピペで自分の園にしっくり挨拶文はない…と途方に暮れているのではないでしょうか?

私が調べたほとんどのサイトには「オリジナリティを出すためには、思い出を振り返る」と書いてありましたが、思い出だけでは内容がありきたり…考えた結果、自分の園にしっくりくる内容にするには、思い出を振り返るだけでなく、大切なのは「園の方針を確認」ところにありました!

園の保育に対する考え方などは、毎月のお便りで触れていたけれど、全部捨ててしまっているし…私は必死に園のホームページを読み返して、園が大切にしていることをどんな言葉で説明しているのか、保護者=先生=子どもたちの共通言語を探し、そこに寄せていくように文章を考えました。

 

保護者代表の挨拶のマナーやポイント

祝辞と謝辞の違い

そもそも、「卒園式での保護者代表の挨拶」と言えば、「謝辞」で「お世話になった園や先生方に感謝を伝える挨拶」です。

  • 祝辞(しゅくじ):卒園児や保護者に卒園のお祝いの意を込めて贈る言葉 ⇒ 園長や来賓の方が読む
  • 謝辞(しゃじ):卒業生や保護者が先生に感謝の意を込めて贈る言葉 ⇒ 保護者代表やPTA会長が読む

卒園児へのおめでとうと混同すると、文章の方向性を見失い、まとまりがなくなるので、注意が必要です。(特に小学校のPTA会長などは、どちらの立場で読むか、混乱するので、しっかり確認してから文章を作成しましょう。)

 

1000文字、3分程度

挨拶は3~5分が適しているそうです。

今回は保育園の卒園式で卒園児が6才と言うこともあり、一番短い時間「3分」を目安にしようと決めました。文字数で言うとゆっくり読んで1000文字程度。

最終的には984文字、ゆっくり読んで3分20秒に収まりました。

 

式辞用紙に書く

パラパラと折りたたむ、アレです。

インクジェットタイプが売っているので、パソコンで印刷できて便利です。小さな書店では取り扱っていない店舗も多いので、大きな書店やネットショップで早めに準備しておくことをオススメします。

手書きで丁寧に書きたいなと思いましたが、文章を考えるので精いっぱい。パソコンは本職なので、桜を散らしてテンションを上げて、印刷で失礼しました。

写真は練習用にコピー用紙に印刷したもの

式辞用紙に印刷するときは、ひと折り目を空けて、ふた折り目から表題を書き始めるそうです。

 

お辞儀の方向を確認

当日、登壇するときのお辞儀の方向を確認しましょう。

  • 国旗などの旗の場所
  • 来賓の場所

…など、3方向にお辞儀するなど、お辞儀にも礼儀があります。

小学校や中学校での会長のお話は事前に打ち合わせできますが、保育園や幼稚園となると、そこまでこだわっていない園も多いと思います。

今回は来賓の参列もなかったので、先に挨拶(祝辞)をする園長と同じようにお辞儀をしました。

 

謝辞は「お礼のことば」と読む

表題の「謝辞」は、登壇して読むときは「お礼のことば」と読みます。⇒表題を読み上げない人も多いようです。

完成したのは卒園式の3日前。それから1日に何回か、声に出して読む練習をしました。実際に声に出して読んでみると、心の中で読むよりも、30秒近く早く終わってしまいました。

  • 早口になっている
  • 1拍おいていない

などが、原因でした。

録音して聞いてみると、普段読まない単語も多く、イントネーションも変…繰り返し読んでいるとだんだんと気持ちも入り涙が…当日、うるうるしてしまえば、イントネーションが誤魔化せることが分かったので、ゆっくりと段落の切替は1拍おいて読むことを心がけました。

 

保護者代表の挨拶を書く準備としてやったこと

簡単な流れ

  • 例文を検索して調べる
  • 思い出を書き出す
  • 園の方針を確認する
  • キーワードを書き出す
  • 文章にする

 

step.1 例文を検索して調べる

検索すると、様々な例文が公開されています。【2】と【3】は順番が逆の例文もありました。私の場合はコロナに関する一文を入れたので、先に開催のお礼をしてから、自分について述べました。

文章の流れ

  • 季節の挨拶
  • 開催のお礼
  • 自分が何者かを述べる
  • 思い出を語る
  • 先生やお世話なった方への感謝を述べる
  • 今後の展望
  • 最後の締め
  • 日付と名前

 

step.2 思い出を書き出す

思い出と感謝を伝えたい事柄を書出し、盛り込みたいものを選びました。個人的なことではなく、みんなで思い出せる内容がよいですね。

  • 畑のお仕事
  • 歩き遠足
  • 運動会(縮小し実施)
  • 発表会(中止)
  • 日々のお散歩
  • お部屋の環境が抜群
  • 食事の環境も素晴らしい

 

オリジナリティを出すにはここがポイント

step.3 園の方針を確認する

どの例文を読んでも、やはり、自分の園とは違うんですよね。それは私自身が共感している【園の方針】に触れていないからだと思い、保育園のホームページで方針についてどのように説明されているのか、全部のページを読みました。

漠然とわかっていても、どんな言葉で説明してるか、単語を書き出すと共通言語がわかって書きやすくなります。

  • 学びは遊びの中にある
  • 自主性を大切にする
  • 行事のための練習はしない

など、私もこの方針にとても共感しているので、コロナによっていくつかの行事が中止になったとしても子どもたちの成長には大きな影響はないと思っていました。その感謝を伝えようと、日常の思い出を書き出しました。

 

step.4 キーワードを書き出す

盛り込みたいキーワードを書き出しました。

  • 自主性
  • 遊び
  • 名人

など。

 

step.5 文章にする

以上の事柄を定型文にはめるように文章をつくりました。

難しかったのは、伝えたいことがたくさんあって、繋ぎの言葉に迷いました。言いたいことを絞って、なんとかまとめました。

 

 

保護者代表の挨拶(文章の流れ)

文章の流れ

  • 季節の挨拶
  • 開催のお礼
  • 自分が何者かを述べる
  • 思い出を語る
  • 先生やお世話なった方への感謝を述べる
  • 今後の展望
  • 最後の締め
  • 日付と名前

 

step.1 季節の挨拶

地域の季節感と違和感のないもので、当日の天気に左右されない言葉を選ぶとよいですね。

  • 寒い中にも、やわらなか春の日差しを感じられる季節となりました。
  • 桜の花が綺麗な季節になりました。
  • 暖かい風が吹き始め、春の訪れを感じられるようになりました。

 

step.2 開催のお礼

今年はコロナの影響で開催が危ぶまれたので、下記のように一文を追加しました。来賓の参列はなかったので、その部分は削除。

  • 今年は感染症拡大の影響で、日々気の抜けない大変な一年となりましたが、今日のこの佳き日、卒園児のために心温まる卒園式を挙行していただき、ご準備いただいた先生方はじめ、ご来賓の皆様や関係するすべての皆様に厚くお礼申し上げます。

 

step.3 自分が何者かを述べる

子どもたちが通っていた保育園には役員などなく、「得意そうなので、引き受けてもらえませんか?」と頼まれたので、簡単に「保護者の代表」として挨拶をします、としました。

  • 僭越ではございますが、保護者を代表して一言ご御挨拶を申し上げます。

コロナの一文が無ければ、開催のお礼の前に述べてもよいのかもしれません。いくつか例文を見たうえで、読んでいてバランスの良い方を選びました。

 

step.4 思い出とともに「心」と「身体」の成長に触れる

子どもが泣いて離れないエピソードは定番。

私は「〜今でも思い出します。」で終わる文章にしましたが、「思い起こせば6年前〜」で始まる書き方もありますね。

行事やイベントは、コロナの影響で運動会は縮小し、発表会は中止でした。そもそも、「日常の遊び」を大切にしている園なので、その点に着目して思い出を選びました。

  • 遠くまで歩いて行けるようになった遠足
  • 畑のお世話
  • 普段の遊びから生まれた名人

など、子どもたちが聞いていても伝わる名称などを選びました。

その思い出を通して、「心」と「身体」の成長に触れました。

 

step.5 先生やお世話なった方への感謝を述べる

運動会や発表会などの行事で子どもたちの成長をたたえ、感謝を伝える文章もありましたが、私は、そもそもの園の方針にとても共感・感謝しているので、その部分が伝わるように考えました。

  • お部屋や食事の環境を整えてくださるだけでなく、
  • 園の方針にもあるとおり、子どもたちの自主性を尊重し、信頼し、
  • 何事も自分たちでやり抜く力を引き出してくださったおかげと感謝しております。

 

保護者として学んだことを添えて、先生方への感謝を述べました。

  • 子どもの好奇心に寄り添いながら遊びを通して学ぶこと
  • そこに向かうために取り組む過程の中に大きな宝物が隠されていること

後から読んでみたら、全体が長かったので、この2つめを削除しました。一見、2つ目がグッときますが、園の方針は1つ目を大切にしているので、そちらを優先しました。

 

step.6 今後の展望

子どもたちへのこれからの展望や期待を述べます。

コロナの影響で不安が多い学校生活をスタートさせることへ、自信をもって進んでいけるような文章にしました。

先生たちへの感謝の内容から、展望に繋がります。

 

step.7 最後の締め

ここも定番の言葉になると思います。いくつか例文があるので、好みで選ぶと良いと思います。

 

 

私が書いた謝辞(全文)

 

謝辞

寒い中にも、やわらなか春の日差しを感じられる季節となりました。

今年は感染症拡大の影響で、日々気の抜けない大変な一年となりましたが、今日のこの佳き日、卒園児のために心温まる卒園式を挙行していただき、ご準備いただいた先生方はじめ、ご来賓の皆様や関係するすべての皆様に厚くお礼申し上げます。

僭越ではございますが、保護者を代表して一言ご御挨拶を申し上げます。

保育園に通い始めた当初、泣きながら私から離れようとしないわが子に後ろ髪をひかれる思いで仕事に向かっていました。いつまで泣いていたのだろう、ご飯はしっかり食べただろうか、今日一日何をしていたのだろうなどと考えながらお迎えに行くと、こちらの心配をよそに、先生やお友達と楽しそうに遊んでいる姿がそこにあり、ホッとしたと同時に嬉しく感じたのを今でも思い出します。

先生方が一人ひとりと丁寧に向き合ってくださったおかげで、子どもたちは安心して過ごせるようになり、年少さんになる頃には「まだ帰りたくない」と言うほど心も大きく成長し、年長さんになった今年は〇〇科学館にお友達と一緒に自分の足で歩いて行けるまで身体もたくましく成長してくれました。

他にも畑のお仕事を通して食の大切さを学び、個性や強みを生かした保育で、子どもたちは自分の力で自分の得意を見つけ、それを伸ばしいく楽しみを知り、気が付くと〇〇保育園にはたくさんの名人が生まれました。

それというのも、園長先生をはじめ、先生方、職員の皆さまが、お部屋や食事の環境を整えてくださるだけでなく、園の方針にもあるとおり、子どもたちの自主性を尊重し、信頼し、何事も自分たちでやり抜く力を引き出してくださったおかげと感謝しております。

また私たち保護者に対しても、子育てをする上で大切なことは、子どもの好奇心に寄り添いながら遊びを通して学ぶことだということや、行事やイベントはそれを実施することが目標ではなく、そこに向かうために取り組む過程の中に大きな宝物が隠されていることを教えていただきました。

これから先、子どもたちの学校生活は新しい様式に変化していくと思いますが、この園で学んだことを生かして、日常に楽しみを見出し、心豊かに育っていけると信じております。

最後になりますが、〇〇保育園の今後のますますの発展と、本日参列のすべての皆様の健康とご多幸を心から祈念いたしまして、お礼の言葉とさせて頂きます。

これまでお世話いただき、まことにありがとうございました。

令和3年3月13日 保護者代表 竹村真奈美

 

配慮したこと

  • 文中の「年少さん」や「年長さん」の言葉は実際には園児が聞いても分かるように、園で使っている言葉(クラス名)などで書きました。
  • ゆっくり読んで、4分かかったので、「私たち保護者に対しても~」を、少し端折って3分20秒に収めました。
まなみ
保育園には役員がないので、勝手に代表なんて…と思いながら読みましたが、会場からも泣いている様子がうかがえて、帰りがけに、たくさんの方に「挨拶に感動しました」と声をかけていただいたので、保護者みなさんの気持ちを代弁できたんだなぁと思うことができました。

 

頼みを引き受けると、頼めるという循環

今回の謝辞、声をかけられたのは、年末年始の休み前でした。

役員などがないので、引き受けてくれそうなお母さんに声をかけてるっぽいですが、フリーで働いているからでしょうか?「得意そうだなと思って」と。

まなみ
なんでもできると思うなよ(笑)

「早い方がいいと思って…」と早々にお声がけいただきましたが、実際に着手したのは、3月に入ってから、卒園式の2週間前。書きたいことはあふれてきましたが、文才がなく、まとめるのに大苦戦。

最後は、周りでPTA会長として活躍してきた人(祝辞のプロ)を見つけ、添削をお願いしました。

私は、お願いごとを断ると、この人が人探しに困る。誰かがイヤな思いをして引き受けることになるかもしれない。と言う気持ちもあり、自分にできそうなことなら、引き受けてみよう。普段からあまり断りません。

頼みを引き受けると、ピンチになった時に「手伝って」と言えるようになると思っています。

頼んで大正解!痒い所に手が届くアドバイスを頂き、すっきり納得の文章に仕上げることができました。

こうしたお願いを負担と感じる保護者も少なくないですが、長女の時からやく8年間、お世話になった保育園です。こうして完成してみると、感謝を振り返ることができて、とても良い時間になりました。

 

これまで、送迎、お疲れさまでした。挨拶は選ばれないとできない大役、お子さんの自慢のお父さん、お母さんになれる瞬間ですね!保育園最後のひと仕事もやり切ってください☆
まなみ
  • B!